研究概要 |
(1) 通気壁体模型を作成し,外界気象に曝露して実測を行った,実測結果を基に,低Re数型k-eモデルを用いて通気層内の数値解析を,定常・非定常で行った.その結果,通気層内での自然対流による集熱が行われていることを,実験・数値解析から示した. (2) 通気層内の数値解析をする際,通気層のみの解析では,計算が不安定になる.そのため,通気層背後に空間を付加し,計算を行った.その結果,計算は安定に推移し,非定常解析を行うことが可能となった. (3) 非定常解析の結果から,通気層の集熱量は,集熱量あたりで最大100W程度あり,集熱量の室内側表面から空気が取得する熱量は,総集熱量の1/3程度であることを示した.また天空日射のみの場合でも上昇気流があることを示した. (4) 屋根内に通気層を設けた小屋裏・床下模型を作成し,通気層内の熱・湿気特性に関する実測を行った.その結果,通気層が,躯体内の除湿効果を持つことが明らかになった.また通気層からの流出気流の風速を実測した.実測結果は(2)で行った解析結果とほぼ同程度であり,数値解析法の有用性が示された. (5) 通気層を持つ小屋裏・床下模型の非等温数値解析を行った.その結果,屋根内に通気層を持つ検討ケースで,換気性状に優位性が見られた. (6) 内部通気層を備えた実験住宅について、建物内外気流同時数値解析を行った。夏季における通気層の排熱効果により、室内の温熱環境が、通風のみで維持可能であることを示した。
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