研究概要 |
本研究は、都市の歩行空間の計画のための基礎的な科学的知見と手法の確立に寄与すべき、歩行者を対象としてその移動行動の構造と性状を実測調査に基づいて解明し、既存の行動シミュレーションの検証とあわせて新たな歩行者流動のモデルの開発を行い、歩行移動が都市環境に及ぼす影響、又は、都市環境が歩行移動に及ぼす影響を評価する手法を考案する。 本年度は、精度の高いデータを得るために高画質の画像が得られるデジタルビデオによる撮影画像を用いた歩行者流動のデータ作成する方法へのデータ取得方法の移行を中心に行い、さらに前年度に引き続き歩行者流動の特性分析を更に発展させている。具体的には、移動ベクトル等の物理量(速度・加速度)から、速度の緩急・動きの柔軟性・衝突を起こさないという歩行者流動の特性を考察し、視線が遮られる量として“遮蔽角"を導入し歩行者の移動に伴う場所の活動の変化の視覚化と時間を含む動的密度という面からの人間の移動に伴う場所の変化の定量化と分析を行い、“SPACEACTIVITY-Quantitative Analysis and Evaluation with Experiments on the Street"(Proceeding of SPIE,VideomtricsVI,1999,pp268-275)としてまとめた。今後現実の都市空間との対応を重視し、手法の実用性・汎用性をさらに検証を行う予定である。
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