研究概要 |
繊維強化セラミックスを破壊し,全破壊表面積を数種の破壊モードによって生成した面積にモード分離し,その各々からモード別の破壊エネルギーを求めるという新評価法を考案したので,その有効性を実証することが本研究の目的である.本年度は,以下の研究成果が得られた. (1) 炭素繊維強化Si_3N_4のモード別破壊エネルギーの評価を行った.破壊モードは,引張り破壊,層間せん断破壊,座屈破壊の3種が現われ,各々の破壊エネルギーは,22±5.7KJ/m^2,-0.38I0.66KJ/m^2,1.8±1.5KJ/m^2となった.層間せん断破壊が負の値になっているのは,推定精度が低いためと考えられる. (2) 炭素繊維強化h-BNのモード別破壊エネルギーの評価を行った.その結果,引張り破壊エネルギーは1KJ/m^2程度で,焼結温度の増加とともに減少した.一方,層間せん断破壊エネルギーは100J/m^2程度で,焼結温度の増加と共に増加した. (3) モード別の破壊エネルギーの新評価法の有効性を示すことができた.
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