研究課題/領域番号 |
09750890
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業分析化学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
久本 秀明 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (00286642)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | アニオンイオンセンサー / オプトード / クロモイオノフォア / 機能性色素分子 / オプト-ド |
研究概要 |
本研究では、初年度にアニオンクロモイオノフォアの機能性色素部位として、メロシアニン系色素分子の設計・合成を主に行い、その基礎的な特性の評価を行った。 その結果、この色素は従来から用いられているpH指示薬と同様の、プロトン化による吸光度変化の他に、極性の変化(溶媒和)による最大吸収波長の変化も得ることができ、1つのスペクトルから2次元的なセンシシグ情報を得ることが可能であることがわかった。 二年次には、アニオン認識部位の設計・合成、及び色素分子の膜材への固定化によるオプトード(センサー)膜の作製とイオンセンシングへの応用を検討した。アニオン認識部位の合成においては、チオウレア基を基本としたアニオンクロモイオノフォアの開発を行い、アニオンとの錯形成に伴うスペクトル変化が得られる分子の合成に成功した。この分子は水素結合性官能基であるチオウレア基をアニオン認識に利用するものであり、親木性アニオンであるリン酸アニオンや酢酸アニオンなどとの相互作用が強い。このような分子を利用することによって、新しいアニオンセンシング系を確立することが可能になると考えられる。また本研究で開発してきた色素分子のオプトード膜への固定化においては、親水性膜材及び疎水性膜材への固定化を検討し、親水性膜材への固定化においては、有機溶媒中水分と、そのp日の同時測定が可能なオプトード膜の開発に成功した。また疎水性膜材への固定化に関しては、この色素分子が吸光度変化及び波長シフトの両方のスペクトル変化をセンシング情報として提供することを利用した、検出波長可変型イオン選択性オプトードの開発を行った。ここでは膜材の極性を制御することによって、その検出波長が自由自在に制御できるタイプの新規なイオン選択性オプトードの開発に成功した。これらの成果は、世界で最も権威ある分析化学誌であるAnalytical Chemistry誌(71巻259〜264ページ、1999年1月)に報告した。
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