研究課題/領域番号 |
09750895
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
日比野 光宏 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (20270910)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 過酸化ポリタングステン酸 / プロトン伝導体 / 固体電解質 / 交流二端子法 / 湿式塗布法 / スピンコート法 / 薄膜 / スピンコート / 過酸化ポリ酸 / シュウ酸配位子 / マロン酸配位子 |
研究概要 |
湿式法による薄膜化が容易であり、電気化学的デバイスへの応用が期待される非晶質過酸化ポリタングステン酸(以下、PTAと称する)をシュウ酸配位子、マロン酸配位子で修飾し、配位子とプロトン伝導特性の関係を調べた。導電率測定は温度湿度を制御し、500k-1Hzの範囲で交流二端子法で行った。測定試料は、ガラス基板上に櫛形金電極をスパッタし、その上にPTA水溶液をスピンコーティングして準備した。シュウ酸、マロン酸いずれの場合も配位子量の増加により飛躍的なプロトン伝導性を示し、シュウ酸/W=0.3の試料では室温(25℃)、相対湿度40%の雰囲気下で約10^<-3>Scm^<-1>のプロトン伝導率を示し、相対湿度80%では、3×10^<-2>Scm^<-1>程度の高導電率を示した。マロン酸配位子の場合、配位状態は明らかになっていないが、シュウ酸と比較して、より少ない量(マロン酸/W=0.2)で同程度の導電率を示した。 燃料電池用固体電解質としての使用に向けて、シュウ酸/W=0.3のPTA薄膜試料に対し高湿度下で約一ケ月間の耐久性試験を行った。導電率は、初期の10^<-2>Scm^<-1>から時間とともに低下し、100時間程度で4×10^<-3>Scm^<-1>となった。100時間以降は経時変化が見られず一定の値であった。導電率低下の原因は、加水分解による酸化タングステン二水和物結晶の析出である。結晶の析出による膜質の劣化は見られず表面状態は良好であった。 したがって、若干の導電率低下以外に結晶による悪影響はないと考えられる。実際には150℃以上での使用が予想されるため、さらに高い導電率が期待できる。
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