研究課題/領域番号 |
09750898
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
迫村 勝 横浜国立大学, 工学部, 助手 (20235237)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | Langmuir-Blodgett膜 / 電子移動 / 蛍光寿命 / 光電変換 / 分子素子 / dyad / 分子内電荷分離 / 光電流 / ピレン / フェロセン |
研究概要 |
1. S-D電荷分離による光電流の測定 ピレン、フェロセンのS、Dの組み合わせで、実際に電荷分離が可能かどうか、光電流を測定することにより確かめた。実験に用いた系は、分子内のS-Dではなく、Dを含むチオール自己組織化膜とSを含むLB膜の積層系で分子間電荷分離に関して調べた。その結果A-S-Dなどに比べ効率は低いものの、光電流が観測され、Dの電荷分離に対する効果をはっきりと確認することができた。 2. S-D分子内電子移動速度の炭化水素鎖長依存性の検討 定常光励起による消光度測定とレーザー励起による蛍光寿命測定の二種類の測定から、S-D分子内電子移動速度の距離依存性が見積もられた。ここで、ドナーとして用いているフェロンセンは、非常に光酸化を受けやすいということと、昨年度の研究で発見されたフォトクロミズムによる消光が、ここでも完全には無視できないことから、データの精度には、まだ検討の余地が残されており、今後の課題でもあるが、いずれの実験からもA-S分子により得らえていた距離依存性を表すパラメータと比較して、S-D電子移動に関しては、およそ半分かそれ以下の距離依存性を示す結果が得られた。A,S間の電子移動に比べ、S,D間の電子移動の方が、ポテンシャルのより深い位置で電子のやりとりが行われるので、それに対するエネルギー障壁は、当然大きくなるはずであり、電子移動速度も距離に対し、よりドラスティックに変化するであろうという予想とは異なる結果となった。従って、この小さな距離依存性は、S-D間に関しては正孔移動により電荷分離が進行していることを示唆しているのではないかと考えられる。
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