研究課題/領域番号 |
09750907
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
松口 正信 愛媛大学, 工学部, 講師 (50190434)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 光架橋PVCA膜 / 分子ふるい / 電気容量型湿度センサ / CO_2ガス収着 / 光架橋ポリケイ皮酸ビニル / 微細孔分布 |
研究概要 |
昨年に引き続き、架橋高分子膜中の微細孔分布を利用したガスセンサの研究を行った。本年度は、光架橋PVCA膜とPMMA膜を積層した2層構造からなる電気容量型湿度センサの開発研究を行った。光架橋PVCA膜が水分子より大きな分子に対してふるい膜として働き、その結果、光架橋PVCA膜を用いた湿度センサは他に共存極性ガスが存在する場合でも選択的に湿度に応答することは昨年度までにすでに明らかにしていた。しかし、このセンサにはヒステリシスが大きいという欠点があった。このヒステリシスは、架橋膜内に吸着した水分子の脱離のしにくさによって生じている。従って、光架橋PVCA膜の膜厚を薄くすればヒステリシスは低減されると考えられたが、サンドイッチ型のセンサ素子の作製の際に上部電極と下部電極がショートする率が高くなり薄膜化は困難であった。そこで本研究では、光架橋PVCA薄膜と下部電極の間に絶縁体をはさむことを検討した。PMMA膜は疎水性で、膜への水の吸脱着速度は速いことがわかっていたので、PMMA膜を絶縁体として用いた。この2層からなるまったく新しい構造の電気容量型湿度センサを作製しその特性を調べたところ、上層の光架橋PVCA膜の膜厚を0.1μm程度まで薄くすることによりヒステリシスは実用上問題にならない程度に軽減された。また、アセトン蒸気が共存した場合のセンサ出力への影響や感湿膜の化学的安定性について調べたが、光架橋PVCA膜の膜厚が0.1μm程度の時には共存アセトン蒸気のこれらの特性への影響はほとんどなかった。このことから、光架橋PVCA膜の膜厚が0.1μm程度でも分子ふるい膜として十分に機能していることが確かめられた。
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