研究課題/領域番号 |
09750911
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
西山 勝彦 熊本大学, 工学部, 講師 (10202243)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 旋光分散 / 分光電気化学 / グルコース / フルクトース / 機能修飾電極 / チトクロムc / 円偏光二色性分光法 / 半透明金蒸着電極 / 銅電極 |
研究概要 |
本研究では、紫外可視領域に吸収帯のない光学活性化合物の電気化学反応に伴う構造変化速度を追跡するために金を薄く右英基板上に蒸着した半透明蒸着金電極を作製し、旋光分散電気化学測定を行った。半透明蒸着金電極は石英板にチタンと金を蒸着することによって作成した。石英と金の密着性を考慮し、チタンを蒸着した後に金を蒸着した二重層構造の電極とし、それぞれの層の厚さを制御して分光電気化学測定に最適な厚さを決定した。光の透過性を考慮してチタンの厚さを20A程度とした場合は電気化学測定の際に金及びチタンが容易に剥離し、5OA以上の場合は光の透過率が減少しCDのS/N比が極めて低下した。また、金の厚さが200A程度になると光の透過率が減少し、100A程度では電気化学測定は不可能であった。光透過性と安定な電気化学測定が両立するための最適条件は、チタン4OA,金120A程度であった。金は可視部に吸収を有するため透過率は波長に依存するが、220mmから600nmの波長領域では約30%以上であり、この領域で分光電気化学の測定が可能となった。また、この条件で作製した半透明蒸着金電極の表面状態をビス(4-ピリジルジスルフィド)(PySSPy)の還元脱離のサイクリックボルタモグラムにより評価したところ、Au(111)面がリッチであろことが分かった。この半透明蒸着金電極にPySSPyを修飾してチトクロムcの還元過程を、また、銅をUPDして、グルコース及びフルクトースの酸化過程を追跡した。定電位電解の場合にはともらめ場合も反応が進行していることが、円二色性スペクトル、旋光分散スペクトルによって確かめられたものの、ダブルポテンシャルステップ法と組み合わせた場合のシグナルの変化は非常に小さく、数千回の積算を行ったが、中間体の存在あるいは2種類の糖類の酸化過程の差を明確に示すようなシグナルは現在のところ得られなかった。
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