研究課題/領域番号 |
09750912
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
鯉沼 陸央 熊本大学, 工学部, 講師 (70284742)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 希土類 / 層状酸化物膜 / 無機材料 / インターカレーション / 陽極酸化 / ニッケル / コバルト |
研究概要 |
希土類イオンを含む無機化合物は、その水素吸蔵能や磁性作用により近年注目を集めている。電気化学的に薄膜を合成することによって、膜内に希土類イオンを含む種々の層状膜の作製に成功してきた。しかしながら、生成した膜は、結晶性に乏しく、構造を規制することは困難であった。そこで本研究では、高温条件下で膜を作製し、直接結晶化した希土類含層状化合物の合成に関する検討を行った。 オートクレープ電解槽を用いて,高温でのコバルト酸化物膜の作製を行った。コバルトのみの電解液である0.1MCo(NO_3)_2溶液中において種々の電位および温度によって白金電極上に電析させた酸化物膜の構造を検討した。150゚Cよりも高い電解温度では種々の電位領域で結晶化した酸化物膜が直接電極上に析出した。結晶化した酸化膜は電解電位に依存し、電極電位が+0.5Vよりも負の時には、Co_3O_4で析出し、+0.9Vよりも正になると主にCoOOHとして析出することが分かった。また、電解液に希土類であるサマリウムイオンが含まれると、生成した酸化物膜は常にCoOOHの結晶構造を取ることが分かった。コバルトのみの電解液で作製した電析膜に比べて、サマリウムを含む電解液で電解作製した膜では、c軸方向の格子定数に変化は見られなかったが、サマリウムの含有率が増加するにつれ、c軸方向の格子定数が大きくなっていった。これは、取り込まれたサマリウムイオンが、層状構造をとるCoOOHの層間に存在することによって、a軸方向の結晶格子だけが伸びているためであると考えられる。
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