• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

応力による可逆的結晶転移を示す繊維状高分子の構造解析による相転移機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 09750984
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 高分子構造物性(含繊維)
研究機関東京農工大学

研究代表者

野口 恵一  東京農工大学, 機器分析センター, 講師 (00251588)

研究期間 (年度) 1997 – 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
キーワード脂肪族ポリエステル / 生分解性 / 構造転移 / 繊維状物質 / 結晶構造 / 分子構造 / X線回折 / コンホメーション
研究概要

本研究では、応力による高分子結晶の相転移機構を分子レベルで明らかにすることを目的として、ポリテトラメチレンサクシネート(PTMS)、ポリエチレンサクシネート(PES)をはじめとする脂肪族ポリエステルの結晶構造解析を進めてきた。今年度は以下のような研究成果をあげることができた。
1. X線解析法による結晶弾性率の測定
昨年度構造解析を終了したPESについて結晶弾性率の測定を行ったところ、延伸による出現するPESβ型の結晶弾性率は、平面ジグザグ構造から予測される弾性率にくらべかなり低く、その値はPTMSβ型の結晶弾性率とほぼ同程度の値であることがわかった。PESβ型は、分子鎖一本のコンホメーションと分子鎖方向からみた分子鎖のラテラル方向のパッキングには規則性があるが、分子軸方向の相対的な位置関係に乱れがある結晶相であった。このため、分子鎖の構造には平面ジグザグ構造を仮定して解析を行ったが、結晶弾性率の測定結果より、PESβ型でもPTMSβ型のように、そのコンホメーションは完全な平面ジグザグ構造ではないことが明らかになった。
2. 結晶構造解析と構造転移機構の検討
昨年度より解析を進めっていたポリテトラメチレンアジペート(PTMA)の結晶構造解析をほぼ終了した。PTMAは延伸と緩和による結晶相転移を示さないが、その構造はPESやPTMSβ型と類似したものであることがわかった。これまでの実験結果をもとに、PESの構造転移機構について検討したところ、この転移機構は熱力学的一次転移であり、T_3GT_3GからT_8コンホメーションへ構造変化が生じることがわかった。PESの構造転移における自由エネルギー変化はPTMSにくらべて大きな値であった。これは、PESの構造転移がオーダー相からディスオーダー相への転移であること、PTMSにくらべて分子鎖の構造変化が大きいことと関係していると考えられた。以上のように、結晶構造解析結果をもとにして脂肪続ポリエステルに見られる結晶構造転移現象の詳細について分子レベルで明らかにすることができた。

報告書

(2件)
  • 1998 実績報告書
  • 1997 実績報告書

URL: 

公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi