研究課題/領域番号 |
09750990
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子構造物性(含繊維)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
浦山 健治 京都大学, 化学研究所, 助手 (20263147)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 高分子ゲル / ゴム弾性 / 膨潤 / 高分子網目 / 小角散乱 / エラストマー / モデル高分子網目 |
研究概要 |
高分子網目構造が発現するゴム弾性を分子論的見地から検討する、すなわち網目のトポロジーとゴム弾性の相関を解明することを目的とし、末端架橋法によって架橋点間の分子量および分岐度が高度に制御された試料の力学測定および構造解析を行った。一次高分子鎖として、一連の分子量のポリジメチルシロキサン(PDMS)を用いた。 オリゴマー領域の低分子量から高度の絡み合いを形成する高分子量までのPDMSから作製された各ゲルを良溶媒中で膨潤させ、小角X線散乱法によって、ゲルの構造の一次高分子鎖の分子量依存性を調べた。ゲルの散乱曲線は、架橋前に一次鎖が絡み合っているグループと絡み合っていないグループの2種に大別された。この結果は、架橋前に絡み合いが形成されている系から作製されるゲル網目のメッシュサイズは、架橋点間の網目鎖のサイズではなく絡み合い点間の距離であることを示唆している。また、分子量が10倍以上異なる長短2種の一次鎖の混合物から作製されるゲル、すなわち架橋点間の分子量分布が2ピークあるようなゲルの構造の混合比依存性も調べた。ゲルの高次構造の混合比依存性を、網目のメッシュサイズが分子鎖の絡み合いによって主に支配されていること、および長距離構造へのclosed shortest circuit conceptの適用、に着目することにより系統的に説明した。 分子量が10万程度の高分子量のPDMSを低濃度溶液中で末端架橋し、生成したゲルから溶媒を完全除去することにより作製される脱膨潤ゲルが、現存のエラストマーとしては最高の伸長性を示すことを明らかにした。この超高伸長性は、低濃度での架橋により、破断の因子の一つである網目構造中の高分子鎖同士のからみあいの数が減少していること、および脱膨潤時の体積減少が大きいため未変形時の網目鎖の両末端間距離が減少していること、に起因する。
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