研究課題/領域番号 |
09750991
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子構造物性(含繊維)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
辻井 敬亘 京都大学, 化学研究所, 助手 (00217308)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | ポリ(γ-ベンジル-L-グルタメート) / オリゴマー / 水面単分子膜 / 2次元相分離 / ひも状ドメイン / 形態異方性 / ヘリックス / 透過型電子顕微鏡 / ポリグルタメート / 原子間力顕微鏡観察 |
研究概要 |
高分子鎖のコンホメーションが2次元平面内に束縛された2次元系高分子ブレンドの相溶性は、バルク(3次元系)とは大きく異なると考えられが、相分離機構、構造形成等を含めて不明な点が多い。本研究は、高分子2成分系水面単分子膜およびLangmuir-Blodgett(LB)膜を対象としてこの問題を明らかにすることを目的としている。本年度は、9-フレオレニルメトキシカルボニル基を保護基として用いる固相重合法によりpoly(γ-benzyl-L-glutamate)(PBLG)オリゴマー(重合度=12,25)を合成した後、poly(isobutyl Vinylether)(PBVE)との混合水面単分子膜を調製し水面膜形成挙動を調べるとともに、原子間力顕微鏡および電子顕微鏡観察によりその2次元相分離構造を詳しく検討した。主な結果を下記に記す。 1. 合成したPBLGオリゴマーはいずれも安定な水面単分子膜を形成し、累積膜の円二色性スペクトル測定の結果、ヘリックス構造をとっていることが明らかとなった。PBVEとのブレンド組成を変えて表面圧一面積等温線を測定した結果、高分子量PBLGの場合と同様、両者が非相溶であることが示唆された。 2.ブレンド単分子膜の微細構造を透過型電子顕微鏡により直接観察した結果、高分子量PBLG系に見られた特異なひも状の相分離構造とは異なり、PBLGオリゴマーは異方性の小さな円形のドメインを形成することが判明した。これは、ヘリックス構造形成により棒状形態をとるPBLGの分子量低下によりPBLGの軸比(棒状分子の長さと直径の比)すなわち分子の形態異方性が減少したことに起因するものと考えられる。したがって、高分子量PBLGブレンド単分子膜において観察されたひも状ドメイン構造は、分子の形態異方性を反映したものであると結論した。
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