研究課題/領域番号 |
09750997
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子構造物性(含繊維)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
久利 恭士 九大, 工学部, 助手 (60264082)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | フラーレン / LangmuirーBlodgett法 / 単分子膜 / 構造秩序化 / 多段階クリープ法 / 構造緩和 |
研究概要 |
LangmuirーBlodgett(LB)法を利用した、水面上におけるC_<60>単分子膜の構築法を考案した。C_<60>は分子凝集カが極めて大きいため、一般的な製膜法では分子が容易に3次元に凝集してしまい、分子レベルでの構造制御が困難である。本研究では、脂肪酸を用いたLB法において水面上における構造緩和現象が単分子膜の構造制御に有効であるという知見に基づき、多段階クリープ法によるC_<60>単分子膜の構築について検討を行った。 C_<60>単分子膜は展開時には分子1個の膜厚を有する円形の結晶性ドメインを形成し、圧縮によりドメインが寄せ集められ、高表面圧への圧縮によりドメインの破砕・崩壊が生じる。C_<60>単分子膜について、種々の表面圧にて面積クリープによる構造緩和挙動を解析を行った結果、表面圧15mN・mX^<-1>での面積クリープが崩壊を生じない構造緩和を行うための最適条件であることが明らかとなった。以上の結果に基づき、多段階クリープ法を利用して、表面圧15mN・m^<-1>から20mN・m^<-1>まで段階的に圧縮を行うことにより、C_<60>単分子膜を構築した。調製された単分子膜は均一な形態を示し、その膜厚はC_<60>分子の直径と一致した。また、その分子配列は極めて高秩序に配列していることが明らかとなった。以上の結果から、多段階クリープ法を用いることで分子レベルで構造制御されたC_<60>超薄膜膜の構築が可能であることが明らかとなった。このC_<60>単分子膜を基板上に積層して構築した高秩序化C_<60>超薄膜素子を用いることにより、高機能性の発現が期待される。
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