研究課題/領域番号 |
09760049
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
蚕糸・昆虫利用学
|
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
阿部 広明 東京農工大学, 農学部, 助手 (80222660)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | カイコ / ヘテロクロマチン / W染色体 / レトロトランスポゾン / RAPD / BMC1 / 性染色体 / クワコ |
研究概要 |
カイコの性染色体は雌においてはZW(XY)、雄においてはZZ(XX)であり、W染色体を1つでも持っていれば、Z染色体、ならびに常染色体の数にかかわらず、雌性が決定される。これまでのところ、カイコのW染色体には雌性決定遺伝子以外の遺伝子は発見されていない。本研究は、カイコのW染色体を分子生物学的に解析することを目的に行われた。 まず、W染色体を分子生物学的に解析するための手がかりとなる分子マーカーのランダム増幅多型DNA(RAPD)の探索を行った。その結果、W染色体に特異的なRAPDが4個、得られた。このうち3つのRAPDについて、それぞれの塩基配列を含むラムダファージをゲノムライブラリーよりクローニングした。それぞれのファージ中のDNA断片をシークエンスしたところ、あるレトロトランスポゾンに別のレトロトランスポゾンが入り込み、さらにまた別のレトロトランスポゾンが入り込むといった、いわゆるレトロトランスポゾンの「入れ子」状態が、どの断片にも認められた。W染色体は遺伝的組換えを起こさないため、それぞれのレトロトランスポゾンは、挿入されたままの状態を長期に渡り、保っていると考えられた。特に人間のL1配列に相当するBMC1というレトロトランスポゾンは、常染色体から得られたものには多くの変異が認められ、完全型は発見されていなかったが、W染色体からは完全型が2個得られた。以上のような結果から、W染色体を分子生物学的に解析することにより、レトロトランスポゾンの生成と消滅の結果をたどることができると考えられた。
|