研究課題/領域番号 |
09760050
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
蚕糸・昆虫利用学
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
姜 媛瓊 理化学研究所, 分子昆虫学研究室, 研究員 (30291917)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | バキュロウイルス / シャトルベクター / カテプシン / トランスポゾン / 2-ハイブリッド法 / 相互作用 / 宿主 / ジンクフィンガー / バキュロウィルス / ゲノム / キチナーゼ |
研究概要 |
本研究では、バキュロウイルスの全遺伝子の機能を組織的に解析することを目的とする。まず、酵母のYAC(YeastArtificial Chromosome)ベクターにカイコ核多角体病ウイルス(BmNPV)の全ゲノムを導入したシャトルベクターを作成し、ウイルスゲノムが酵母中で維持されていることや本来の宿主である昆虫細胞で増殖できることを確かめた。また、これまでに分子生物学的に解析されていないコドリンガ顆粒病ウイルス(CpGV)の遺伝子解析を行った。クローン化した3.2kbのDNA断片に大腸菌のトランスポゾンを挿入し、塩基配列を決定したところ、この断片上に存在する二つのORFはキチナーゼとカテブシンの遺伝子であると考えられた。そこで、BmMPVのカテプシン遺伝子欠損株にCpGVのカテプシン遺伝子を導入するレスキュー実験を行い、CpGVカテプシンが宿主の体を分解することでウイルスの伝播に重要な役割を果たしていることを明らかにした。10年度は、機能解析の一環としてウイルスの遺伝子産物と相互作用する宿主の遺伝子産物の同定を試みた。酵母の2-ハイブリッド法を用いて、ウイルスの感染後最も初期に発現されるIE-2蛋白質と相互作用している蛋白質のスクリーニングを行った。その結果、宿主のジンクフィンガー蛋白質(ZFP)とIE-2が、またIE-2同士が相互作用していることがわかった。ZFPは新規の蛋白質で、機能はまだわかっていないが、8つのジンクフィンガードメイン(C2H2type)をもつ蛋白質で、細胞で強制的に発現させると細胞に悪影響を及ぼすことを示唆する結果が得られている。また、IE-2のホモダイマー形成には、C末端の80アミノ酸が必要であることも明らかにした。ウイルスの増殖においてのこれらの相互作用が担う役割について、機能解析を急いでいる。また、BmMPVのゲノム上に5コピー存在するbro(baculovirうs repeated ORFs)遺伝子の解析を行ったところ、この5つは感染初期に発現される遺伝子で、5つが相補的に機能を果たしていることを示唆する結果が得られた。現在、これらの結果をまとめた論文を準備中である。
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