研究課題/領域番号 |
09760073
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
有岡 学 東大, 農学生命科学研究科, 助手 (20242159)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 神経突起伸長 / nerve growth factor / カルシウムチャネ / コレステロール / オキシステロール |
研究概要 |
(A)H16636物質(p15)は見かけの分子量約15kDaの可溶性蛋白質であり、NGFによるPC12細胞の突起伸長を顕著に促進する。p15作用機構についてより詳細に調べるため、NGF以外の他の刺激と組み合わせて検討したところ、L型Ca^<2+>チャネルのアゴニストBay K8644で報告されているのと同様に高濃度K^+刺激との共存下で突起を誘導することを見出した。さらにp15の作用がL型Ca^<2+>チャネルのアンタゴニストであるニカルジビンで抑制されるが、NGF受容体からのシグナルを阻害するK-252aでは抑制されないことを示した。また、Ca^<2+>シグナルの伝達遺伝子であるsrcのdominant negative変異株を用いた解析から、p15の作用がsrc経路を活性化することにより突起伸長を誘導することが示唆された。 (B)構造解析の結果、S19159物質はエルゴスタン骨格を有し、オキシステロールと呼ばれる一群の化合物に類似した新規化合物であることを明らかにした。オキシステロール類の生理活性としては一般にコレステロールの合成阻害が知られていることから、S19159物質の脂質欠乏培地での作用、およびコレステロールの添加効果を調べた。その結果、脂質欠乏培地では作用の亢進が認められること、細胞のコレステロール含量が減少すること、またコレステロールの添加により作用が回復することを認め、本物質の作用がコレステロールの合成阻害によるものであることが強く示唆された。またアストロサイトの形態変化誘導作用に関しては、本物質存在下ではコレステロール合成阻害の結果神経細胞がオキシステロール様物質を生成し、これがリボタンパク質として挙動してアストロサイトに作用するためと考えられた。
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