研究課題/領域番号 |
09760084
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
井上 善晴 (井上 喜晴) 京都大学, 食糧科学研究所, 助教授 (70203263)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | Saccharomyces cerevisiae / グリオキサラーゼI / 分子進化 / ストレス応答 / MAPキナーゼ / ストレス / 浸透圧 / two-component system |
研究概要 |
各生物のグリオキサラーゼIのアミノ酸配列の比較から、グリオキサラーゼIは各生物種間で保存された5つの領域(region I〜V)から成ることを見いだした。酵母(Saccharomyces cerevisiae)のグリオキサラーゼIはN末端半分子に存在するregion I〜Vと、C末端側に更にもう1セットの領域(region I'〜V')が存在することを明らかにした。これらのことから、酵母のグリオキサラーゼIは、遺伝子重複により分子進化したものと推測した。そこでこのことを明らかにする目的で、C末端側半分子に存在するregionI'〜V'を種々欠失させたdeletion mutantを作成し、グリオキサラーゼI遺伝子を破壊株したS.cerevisiae中で発現させることにより解析をおこなった。その結果、regionI'〜V'を完全に消失させた変異型酵素(すなわちregionI〜Vのみを持つ)では酵素活性が検出されなかった。更に、C末端半分子中のregionV'のみを欠失させただけでも活性を消失してしまうことから、酵母のグリオキサラーゼIのC末端半分子は酵素活性の発現、あるいは酵素分子の構造維持に必須であると考えられた。そこで、コンピュータを用いたグリオキサラーゼIの3次構造のモデリングを行った。ヒトのグリオキサラーゼIは既に3次構造が解かれているので、それをモデルとして酵母のグリオキサラーゼIのN末端半分子、並びにC末端半分子のモデリングを試みたところ、両者は極めてよく似た構造を持ち、更にそれらはヒトの酵素のサブユニット構造ともよく一致した、これらのことから、酵母のグリオキサラーゼIは遺伝子重複により分子進化し、C末端半分子は酵素分子の全体構造の維持に重要であることを明らかにした。
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