研究課題/領域番号 |
09760112
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物生産化学・応用有機化学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中山 二郎 東大, 農学生命科学研究科, 助手 (40217930)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 腸球菌 / ペプチド性フェロモン / プラスミド / 受容体 / DNA結合タンパク質 |
研究概要 |
腸球菌Enterococcus faecalisのバクテリオシンプラスミドpPD1の接合伝達は受容菌の分泌するペプチド性フェロモンの一つであるcPD1により活性化され、供与菌自身が分泌するiPD1により停止される。これまでにcPD1は受容菌細胞内に取り込まれpPD1にコードされる38kDaの細胞内受容体タンパク質TraAに結合することが示されている。本研究はTraAによるcPD1のシグナル変換の分子機構を明らかにすることを目的としている。まず、大腸菌によりN端末にGSTを付加したGST-TraAを過剰発現させた。スキャッチャード解析において、GST-TraAはcPD1に対し0.13nMの解離定数を示した。この値は、cPD1が生理作用を示す最小濃度にほぼ一致していることから、TraAがフェロモンに対する直接的なセンサーとして働いていることが示唆された。iPD1存在化でのスキャッチャード解析においては、結合サイト数は変化しないが、解離定数が増加することから、iPD1はフェロモンに対するアンタゴニストであることが判明した。またGST-TraAは他のプラスミドに対するフェロモンおよびインヒビターには全く結合能を示さなかった。このことよりTraAは自己のプラスミドに対するフェロモンおよびインヒビターに対して完全に特異的であることを示している。フェロモンに対してC末端44アミノ酸残基を欠くGST-TraAはフェロモンに対する結合能を示さないことからC末端44アミノ酸残基がフェロモン結合部位はこのC末端領域に存在することが示唆された。またゲルシフトアッセイによりTraAがインヒビター遺伝子のプロモーター上流域に結合することが示された。TraAはこのインヒビター遺伝子領域のmRNAの発現調節を行うことによりフェロモンのシグナルを伝達していると考えられる。
|