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中枢性疲労発生機構の解明-疲労感へのTGF-βの関与-

研究課題

研究課題/領域番号 09760128
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 食品科学・製品科学
研究機関京都大学

研究代表者

井上 和生  京都大学, 農学研究科, 助手 (80213148)

研究期間 (年度) 1997 – 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
キーワードCaligue / exercise / TGF-β / electroencephalogram / EEG / respiratery quotient / RQ / fatigue / TGF-B
研究概要

疲労したラットの脳脊髄液に存在し、おそらく疲労感を生成することでその自発行動を抑制する物質がTGF-βであると考えられた。本年度はこれが中枢神経系に作用し、疲労感を生成する機構を調べる上での基礎的なデータとして、脳室内にTGF-βを投与したときの脳波と呼吸商について検討した。
1. TGF-βの脳室内投与が脳波に及ぼす影響
TGF-βは脳内において疲労感を引き起こす役割を担っていると考えられた。そこでこの作用が実際に疲労している動物と同一であることを確かめるため、まず運動により疲労させたラットの脳波の変化を明らかにした。ラットには無拘束で脳波を測定できる小型テレメトリー送信器を頭部に埋め込み、術後1週間の回復期間をおいてから測定を行った。ラットを疲労させる条件は、脳脊髄液中のTGF-β濃度増大を見いだした場合と同じ条件とし、流水プール中にて15分遊泳、5分休憩を1セットとする運動を8セット行わせた。運動前1時間の脳波を測定してベースラインを取り、運動後4時間の脳波を測定した。得られた脳波は高速フーリエ変換によりδ(0.8-4Hz)、θ(4-7Hz)、α(7-13Hz)、β(13-30Hz)の各振動数の波に分割し、各々を運動していないラッドの脳波のそれと比較した。運動により疲労したラットの脳波では、安静なラットのそれと比較して全体に対するθ波の割合が高く、。波の割合が低くなった。今後運動をさせずTGF-βを脳内に投与したときに同様の脳波の変化が起こるかどうかを検証したい。
2. TGF-βの脳室内投与が末梢の代謝状態に及ぼす影響
脳内は末梢から分離された環境であり、脳室内に投与された物質が末梢で何らかの変化を引き起こした場合それは神経系を介したものと考えられる。TGF-βは運動により消耗した部分を回復させる方向に身体の代謝状態を変化させる役割を持つものと予想された。そこで身体の代謝状態の概要をつかむため呼吸商の測定を行った。ラットの脳室にサンプルを投与するためのカニューレを施し、1週間の回復期間の後呼吸商を測定するチャンバーに入れてベースラインを測定した。30分の測定の後、TGF-βを投与し、呼吸商の変化を測定した。vehicleを投与した群と比較し、TGF-βを投与された群では呼吸商が低下し、酸素消費量が上昇した。消費する基質を分析したところ、糖質の燃焼量が減少し、脂質燃焼量が増大していた。このような変化が、生理的にどのような意味を持っているか現在解析中である。

報告書

(2件)
  • 1998 実績報告書
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Kazuo INOUE: "Release of a substonce that supresses spontaneous motor activity in the brain by physical execrcise" Physiology & Behavior. 64(2). 185-190 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] Kazuo Inoue: "Release of a substance that suppresses spontaneous motor activity in the brain by Physical exercise" Physiology&Behavior. (印刷中). (1998)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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