研究課題/領域番号 |
09760153
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
小藤田 久義 岩手大学, 農学部, 講師 (40270798)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | リグニン / リグニンペルオキシダーゼ / マンガンペルオキシダーゼ / Phanerochaete / chrysosporium / Mn / リグニン生分解 / マンガンイオン / 担子菌 / リグニンパーオキシダーゼ / Mn-パーオキシダーゼ / 木材化学 |
研究概要 |
本研究では実際の腐朽過程において木材組織中のMnがリグニン分解酵素であるリグニンペルオキシダーゼ(LiP)およびマンガンペルオキシダーゼ(MnP)活性の発現に及ぼす影響を調べた。はじめに材中に含まれるMnおよび有機酸の定量分析を行った結果、材中(ブナ)のMn濃度は約50ppmにのぼりそのうち約4割がイオンとして溶出すること、さらにMnとのキレート生成に必須の有機酸類がクエン酸をはじめとして木材組織中に相当量存在していることが明らかとなった。木粉培地を用いた培養ではMnP発現とLiPの抑制が観察されること、および上記の定量分析結果から、P.chrysosporiumによる木材の腐朽過程では、液体培養で認められたものと同様の調節が、木材組織中のMn-有機酸複合体によりなされているものと推定された。このうちMnPに関しては、EDTA処理によりMnを抽出除去した木粉による培養でMnP活性が消失したこと、さらに同じ培地に抽出除去量相当のMnを再添加することにより同程度の活性が再び発現したことから、材中のMnによりMnPが誘導されることが証明された。一方LiP活性の調節機構に関しては、Mnを抽出除去しても活性が検出されず、液体培養とは異なる結果が示された。本実験においてLiPが検出されないのは酵素と基質との強固な結合や培地中の阻害物質の存在が原因になっている可能性も考えられる。
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