研究課題/領域番号 |
09760200
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
農業経済学
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
淡路 和則 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (90201904)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 農村空間 / 作業受委託 / マシーネンリング / コムナールアルバイト / 地緑的結合 / 機能集団 / 保全業務 / コムナ-ルアルバイト / マシ-ネンリング |
研究概要 |
近年、農業・農村の多面的機能が認識され、農村を公共的な空間として保全する必要がいわれるようになった。本研究では、その背景を把握し、自治体の関連業務が増大する一方で財源が逼迫して十分な対応がとれない問題と民間委託への流れを整理した。そこでは、現有の技術・装備で対応可能なものが多いこと、追加所得の獲得になることなどから、地域の農業者に農村空間保全業務を委託する方向が新しい動きとして見出された。 しかしながら、北海道十勝の農家調査からは、集落等の保全業務を現有の技術、機械設備で対応できる範囲での受託には興味があることは確認されたものの、公共的な業務に付随する実務管理の煩わしさ、規格規制の多さから、所得確保のあり方には農業専業→兼業→保全業務の請負という序列が存在することが明らかとなった。 ドイツでは、農村空間の保全業務を自治体がマシーネンリングという農作業の受委託仲介組織を通じて地域の農家に委託するという対応が進んでいる。マシーネンリングは、もともと機械作業の受委託を仲介する組織であったが、情報及び仲介のノウハウの蓄積によって、労働力派遣も行うようになり、80年代に入ってからは地域の公共的な保全業務を自治体と農家の間に入って仲介するようになっている。そのため、農家は入札手続きや多くのペーパー業務から解放されており、自治体にとっては民間企業へ委託するより経済的メリットがあることが確認された。また、州政府の補助金を非農業生産分野で受け入れるために、子会社を設立し、形式的にはその子会社が公共的な業務を請け負うという対応がなされていることが把握できた。以上の受委託の進展は、もともと地縁的結合で遂行されていた公共の管理業務を機能集団が引き継ぐ形になっている現象と捉えることができた。
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