研究課題/領域番号 |
09760216
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
農業土木学・農村計画学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
柏木 淳一 北海道大学, 農学部, 助手 (40241369)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 傾斜畑圃場 / 空間変動性 / 土壌踏圧 / 人為作用 / 地形作用 / 土壌水分 / 空間変動 / 土壌サンプリング / 改良山成畑 |
研究概要 |
一般に土壌は、時間・空間的な変動を示すため、一筆の圃場内における土壌物理性にはかなりのバラツキが生じている。そこで本研究では、畑土壌の時空間変動の特性について詳細なサンプリングをもとに、変動の要因と考えられる人為及び地形との関係から解析を行った。 美瑛町の丘陵地帯に位置する約0.8ha(55×144m)の傾斜畑を調査圃場とした。栽培作物はビートであり、長辺方向とほぼ平行に畝が形成されていた。この調査圃場の畝立てと直行する測線上において、1998年5月と8月にサンプリングを行った。測線上には85列の畝が認められ、畝間及び畝上で交互に、深さ10cmのAp層中から不撹乱土壌試料を171地点で採取した。 土壌に対する人為的な処理を考慮し、畝上と畝間(機械走行による踏圧部・非踏圧部)に分け、それぞれの物理性について検討した。各物理性の分布特性については、人為を考慮して区分した標本では正規性への適合度が高まる傾向を示した。サンプリング位置を考慮した各物理性の空間変動については、献上と畝間では有為な母平均の差が認められているが、測線上の変動からは各物理性とも斜面上部と下部で処理区間の差が不明瞭となり値が近接する領域があることが認められた。また、5月の時点では畝上、畝間ともに斜面下方に向かって土壌水分が減少し、容積密度が低下するというようなトレンドが認められたが、8月になると、畝上においては5月と同じ平均値付近で、また、畝間では全体的に間隙が増加する方向へと変化し地形の影響と考えられるトレンドが解消されていた。そして、空間変動に関しては、ほとんどの物理性のセミバリオグラムにおいてピュアナゲットを示しており、距離に依存しないランダム分布であることを確認した。 畝立てや機械走行による人為作用により、一筆の圃場内でも土壌物理性にかなりの変動が認められ、特に粗間隙は畝間での値の減少とバラツキの増大が顕著であった。また、5月に認められた地形の影響と思われる測線上でのトレンドは、時間の経過により8月の時点では見られなくなり、これらの物理性の変動に対する地形因子の影響は不明瞭であった。
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