セルラーゼ複合体に必要とされるドッキングドメインをコードする遺伝子を発現ベクターpMa1-c2に連結し、マルトース結合ドメインとドッキングドメインとの融合蛋白質を大腸菌で発現し、これを精製した。これを用いてルーメン細菌Ruminococcus albusの培養液及び細胞表層画分についてFar-Western法により結合する蛋白質の有無を確認したが、ドッキングドメインが結合する蛋白質を検出するに至らなかった。セルラーゼ遺伝子周辺領域のクローニングにおいて新たなセルラーゼ遺伝子egVIIのクローニングに成功した。本遺伝子の塩基配列を決定したところ、このセルラーゼもドッキングドメインをもっており、間接的ではあるが、ルーメン細菌R.albusがセルラーゼ複合体セルロソームを形成している可能性をしめした。一方R.albusの細胞表層から調製した蛋白質画分を電気泳動した結果、複合体の骨格蛋白質の候補と考えられる酵素活性をしめさない分子量100kDを超える蛋白質を発見した。この蛋白質のN末端アミノ酸配列を15残基決定することができた。この蛋白質をコードする遺伝子のクローニングを行う予定である。
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