研究課題/領域番号 |
09770058
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
杉山 篤 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (60242632)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1997年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | cyclicAMP / 刺激伝導系 / Phosphodiesterase活性 / 房室結節 / 真空凍結乾燥 / phosphodiesterase活性 |
研究概要 |
今年度行った研究により得られた成果は大きく次の3つである。一つは、前年度に既に確立したcyclicAMPの測定技術を房室結節のアデニル酸シクラーゼ活性の測定へ応用したことである。組織化学的手法を応用することにより刺激伝導系の組織を単離し、それぞれの部位におけるアデニル酸シクラーゼ活性を定量評価した。房室結節における活性は、薬理学的刺激が無い状態では一般心筋の約2倍であったが、NaFを用いて最大活性を比較した場合には一般心筋の約7割にすぎなかった。二つめは、高感度測定技術を応用して、解剖学的に複雑な構造を有する毛様体上皮細胞中のアデニル酸シクラーゼ活性を定量評価したことである。交感神経系の伝達物質であるノルエピネフリンにより用量依存的に活性は上昇したが、副交感神経系の伝達物質であるアセチルコリンの影響はほとんど受けなかった。開放隅角緑内障の治療におけるβ遮断薬の有用性を裏付ける結果であった。三つめは最終的な目的である房室結節中のphosphodiesterase活性の測定である。房室結節におけるphosphodiesterase活性は、一般心筋の約2倍であった。したがって、房室結節においてはアデニル酸シクラーゼ活性とphosphodiesterase活性がともに一般心筋とは異なる様式で細胞内情報伝達機構を制御していると考えられた。また、phosphodiesteraseIII阻害薬のcyclicAMPの増加作用は房室結節により選択的であった。
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