研究概要 |
我々の教室において、ラット脳より精製・遺伝子クローニングルた新規イノシトール1,4,5-三リン酸(Ins(1,4,5)P_3)結合蛋白質(p130)の生体内生理機能解明を目指し、p130分子のノックアウトマウスを作製する。そして作製されたノックアウトマウスを詳細に解析して、本分子の生体内における生理的役割を解明することが本研究の目的である。 平成9年度は、p130分子のマウスゲノムDNAを単離し、ターゲティングベクターを構築・ES細胞へ遺伝子導入し、相同組み換え体同定を開始した。また、ラットの各種臓器を用いてp130分子のIn-situhybridizationを行い組織内発現分布を調べた。 平成10年度は、ES細胞の相同組み換え体を同定し、キメラマウスを作製した。作製されたキメラマウスをC57BL/6Jマウスと交配してヘテロ接合体(F1マウス)を得た。続いてヘテロ接合体マウスどうしの交配によりホモ接合体(F2マウス)を作製した。 ホモ接合体は、致死になることなく生まれた。しかし、野生型:ヘテロ接合体:ホモ接合体の比率は1:2:0.6(n=162)でありその原因がどこにあるのか現在解析中である。また出生したホモ接合体は、現在(7w)までのところ順調に生育している。 ヘテロ・ホモ接合体の同定は、PCR法により同定した。また脳よりRNAを抽出しRT-PCR法によりmRNAレベルでターゲティングされていることを確認した。さらに、脳の可溶性分画に含まれるIns(1,4,5)P_3結合活性を測定して、その結合活性が野生型・ヘテロ接合体・ホモ接合体となるに従って失われていくこと、またウエスタンブロッティングにより蛋白質レベルでも欠失していることを確認した。 ノックアウトマウスの本格的な解析はこれからであるが、pl30分子の生体内における生理的な役割解明を目指す。
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