研究課題/領域番号 |
09770089
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病体医化学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藤田 寿一 北海道大学, 医学部, 助手 (30212187)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | ゲルゾリン / ゲルゾリン結合タンパク質 / アポトーシス / Two-hybrid Systerm / Caspase3 / Far-western blotting法 / Pull-doun assay / Two-hybrid System / Far-westem blotting法 |
研究概要 |
昨年度の研究において、ゲルゾリンのN末端約半分G1-3およびC末端約半分G4-6cDNAをGSTタグを有する大腸菌での発現ベクターに組み込み発現して、グルタチオン・カラムを用いたアフィニティークロマトグラフィーにより精製した。これらのフュージョン・タンパク質をプローブに用いて、Fac-western blottingによりマウス線維芽細胞NIH/3T3の細胞抽出液を解析したところ解析したところ、分子量約72kDaのゲルゾリンのN末端約半分G1-3に特異的に結合するタンパク質を見い出した。また、GSTフュージョン・タンパク質を用いてPull-toun assayを行ったところ、前兆のゲルゾリンおよびN末端約半分G1-3に結合する分子量約210kDaのタンパク質を見い出した。今年度は、ゲルゾリンのN末端約半分G1-3のGSTフュージョン・タンパク質をプローブに用いた、G1-3に特異的に結合するp72タンパク質のcDNAクローニング、および全長のゲルゾリンGSTフュージョン・タンパク質を用いたアフィニティークロマトグラフィーによるp210タンパク質の精製、アミノ酸配列決定、およびcDNAクローニングを試みたが、ライブラリー・スクリーニングの際、予想外の非特異的結合のため最終目標には至らなっかた。 一方、我々の研究室で、Fas刺激をはじめとする様々な細胞死のシグナルによるヒトT細胞白血病細胞株Jurkanのアポトーシスをゲルゾリンが抑制すること見い出し、また、独立にハーバード大学医学部の研究室から、ゲルゾリンがアポトーシスの際の細胞形態変化において重要な役割を担っているという報告がなされた。これまで、アクチン調節タンパク質として解析されてきたゲルゾリンがアポトーシスという普遍的な生物学的現象と密接に関わることが明らかになり、これらの分子機構解明が早急な研究課題として非常に重要であると考えられた。さらに、アポトーシスの実行に非常に重要な役割をはたしているCaspase 3の基質をyeast two-hybrid systemで検索している中で、ゲルゾリンがCaspase 3の結合タンパク質として単離された。したがって、ゲルゾリンはCaspaseが関わるアポトーシス実行のカスケード上に位置する重要な因子の一つであると考えられた。これらの結果を踏まえた上で、現在、ゲルゾリンがアポトーシスにおいて重要な役割を担っているミトコンドリアにも一部存在することを明らかにしており、今後、ゲルゾリンのミトコンドリアでの機能解析やゲルゾリンに相互作用するタンパク質をさらに検索して、アポトーシスや細胞運動における分子機構について解析していく予定である。
|