研究課題/領域番号 |
09770103
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病体医化学
|
研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
鈴木 厚 横浜市立大学, 医学部・第二生化学, 講師 (00264606)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | 熱ショックタンパク質 / 筋肉 / 筋ジストロフィー / ストレス耐性 / 低分子量熱ショックタンパク質 / 筋強直性ジストロフィー / シャペロン / キナーゼ / ストレス応答 |
研究概要 |
今年度は、筋肉の維持に対する低分子量熱ショックタンパク質一般の重要性を検討することを主に進めた。具体的には、これまでに同定されてきている哺乳動物のsHSPファミリーメンバー6種のうち5種(レンズ特異的といわれるαA-crystallinを除く)に関して、そのcDNAおよび抗体を準備し、筋肉をキーワードとしてこれらすべてを対象とした基本的な定性(発現の組織分布、筋分化にともなう発現誘導の有無、相互作用、筋肉内での会合状態、熱ショックに対する初期応答、および後期応答、筋培養細胞中での局在)を系統的に進めた。特に、これまで塩基配列しか報告されていなかったHSPB3についてもそのクローニングと抗体作成を行い、初めて基本的な定性を進めた。その中で以下の諸結果が得られた(現在、論文を投稿中)。 1)5種すべてのsHSPが、程度の差はあれ、筋肉に高い特異性をもって高濃度に発現している。特に、MKBP,HSPB3の発現は基本的に骨格筋、心筋にしかみられず、これらの組織における機能的重要性が示唆された。2)5種sHSPsがそのアミノ酸配列の相同性にも関わらず、互いに非常に選択性のある相互作用を示す。さらに心筋可溶性画分を生化学的に解析した結果、5種のsHSPが、主としてHSP27/aB-crystallin/p20、およびMKBP/HSPB3からなる2種の独立した、相互排除的な会合体として存在してしることが示された。発現の特異性から、後者の複合体は非筋細胞にはない筋特異的なsHSP systemを構成していると考えられる。また、このMKBP/HSPB3はともに、、熱応答性(発現誘導、およびトランスロケーション)が他のsHSPに比べ低いことも明らかとなり、これらが慢性的なストレスを受ける筋肉において構成的に働いていることも示唆された。
|