研究課題/領域番号 |
09770117
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
原田 憲一 金沢大学, 医学部, 講師 (30283112)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 原発性胆汁性肝硬変 / 疾患特異的抗原 / Differential Display / 胆管 / ピルビン酸脱水素酵素 / 交差反応 |
研究概要 |
原発性胆汁性肝硬変(PBC)は、自己免疫機序による肝内小葉間胆管の進行性の破壊と消失及び血清学的に自己抗体であるミトコンドリア抗体(AMA)の出現を特徴とする。まず、胆管消失の機序として、主にFas-Fasリガンドを介したアポトーシスが胆管消失の重要な因子であることを指摘し、欧文雑誌Hepatologyに発表した。また、AMAの対応抗原であるミトコンドリア内膜に存在するピルビン酸脱水素のE2成分(PDC-E2)を免疫組織化学的及び分子生物学的に検討したところ、PBCの胆管上皮にPDC-E2蛋白の発現亢進があるが、PDC-E2mRNAの発現亢進はみられないことから、PDC-E2蛋白と交差反応性を示す抗原成分が存在する可能性を指摘し、欧文雑誌Hepatologyに発表した。次に、このPDC-E2と交差反応性を示す抗原成分がPBCの病因になっているものと推測され、PBCの胆管特異的かつPDC-E2と交差反応性を示す新たな抗原の検出を試みた。PBC症例7例、対象肝3例の胆管上皮細胞の単離、mRNAの抽出、次いで逆転写反応よりcDNAサンプルを得た。そして、これらのサンプルを用いてDifferential Display法によりPBC特異的なmRNAシークエンスを検出しようと試みたが、現在までのところ、PBCの胆管細胞に特異的と考えられるmRNAは検出できない。原因として、胆管細胞の抽出に問題があり、非胆管細胞以外の細胞も混雑していたためmRNAの差異として検出できなかったと推測される。従って、新たな胆管細胞抽出法として、組織切片上で直接的に細胞を収集できるマイクロダイセクションシステムを用いて再検討をしているところである。
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