研究概要 |
3か月以内に退縮を認めたつぎの皮膚腫瘍、congenital selfhealing reticulohistiocytosis 2例、eosinophilic granuloma 1例、CD56^+natural killer(NK)cell lymphoma 1例のホルマリン固定パラフィン包埋標本を用いて、オリゴヌクレオチドプローブによるin situ hybridization法によりTNF-α産生細胞の同定を行った。腫瘍周辺浸潤単核球の半数以上にTNF-α mRNAを認めた。連続切片において、それらはKP1+,Mac1+,MT1+で、リンパ球ないし組織球であった。また酵素抗体法によるcytolytic effector(perforin,granzyme B9)蛋白の検索では、周辺浸潤単核球の約2割に陽性所見を認めた。これら、TNF-α mRNA positive cellとアポトーシス陽性細胞数との間には相関関係を認めた。 前年度に、上記の皮膚腫瘍の退縮において、Fasリガンドを経由したアポトーシスが一つの役割を果たしていることを見出したが、さらに、腫瘍周辺浸潤単核球由来のTNF-αおよびcytolytic effectorが腫瘍細胞のアポトーシスの誘導に重要な役割を果たしていることが示唆された。
|