研究課題/領域番号 |
09770178
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
飯田 哲也 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (90221746)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 腸炎ビブリオ / 耐熱性溶血毒 / レセプター / expression cloning |
研究概要 |
腸炎ビブリオの産生する耐熱性溶血毒(TDH)に対する標的細胞上のレセプターの同定を目的とし、TDHに対して耐性を示す変異細胞株MR-T1細胞に野生型細胞株であるRat-1細胞から調製したcDNAライブラリを導入することにより、TDHレセプターの機能が回復したクローンの選択を試みている。これまでにRat-1細胞からのcDNAライブラリの作成が完了し、これをMR-T1へ導入することによりをTDHレセプターのexpressioncloningの実験系が確立できた。現在cloningを遂行中である。 またこれと同時にTDHに対する細胞膜上のレセプターの性状を解析するためにいくつかの実験を行っており以下のような成績を得ている。標的細胞のエンドグリコセラミダーゼ処理を行い処理細胞に対するTDHの細胞毒性を調べたが活性は低下しなかった。また糖脂質欠損変異細胞であるGM-95はTDHに対して高感受性を示した。これらのことからTDHのレセプターは糖脂質ではないということが示唆された。さらにTDHによる溶血の各種ガングリオシド(GM1、GM2、GD1a.GD1b.GT1b)およびアシアロGM1による阻害活性を調べた。その結果、これまでTDHのレセプターであると報告されていたGT1bガングリオシドによる特異的な阻害は観察されなかった。また、ヒト赤血球を150μg/mlまでの抗GT1b単クローン抗体で処理し、その後TDHによる溶血活性を測定したが、この単クローン抗体による溶血の阻害はみられなかった。以上の結果はGT1bガングリオシドがTDHのレセプターであるというこれまでの考えと反するものであり、何がTDHのレセプターとなっているかについてさらなる検討が必要であることを意味する。 以上のような知見を参考にし今後TDHレセプターの同定を遂行していく。
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