研究課題/領域番号 |
09770179
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
堀口 安彦 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (00183939)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | Pasteurella multocida / 細菌毒素 / Bordetella / GTP結合蛋白質 / Rho / Pateurella multocida / 毒素 |
研究概要 |
Pasteurella multocidaの産生する毒素(PMT)は細胞に対して強いマイトージェン活性を持ち、細胞内のフォスフォリパーゼcを活性化することが知られているが、その詳細な作用機構は不明である。本研究ではPMTの作用機構解明の手がかりを得るためにPMTに特異的に結合する細胞成分の検索を試みた。マウス線維芽細胞Swiss3T3の破砕液をSDSポリアクリルアミド電気泳動で分離した後にPVDF膜上に転写し、PMTと抗PMT抗体を用いてリガンドオーバーレイアッセイを行った。その結果PMTに特異的に結合すると見られる60kDaのタンパク(p60)を検出した。種々の細胞を用いて調べたところ同様のタンパクはPMTによって形態変化を起こすSwiss3T3、C3H10T1/2、Rat1.COS7で検出され、形態変化を起こさないHep3Bでは検出されなかった。またp60はマウスの脳、肝臓、腎臓のいずれの臓器からも検出されなかった。Swiss3T3細胞の破砕液を遠心分画すると、p60は膜不溶画分に存在することがわかった。PMT遺伝子の改変により種々のPMTの断片ペプチドを作製してp60との結合性を調べたところ、アミノ酸位840-983の領域にp60との結合領域が存在することが示唆された。 以上の結果より、PMT感受性の細胞にはPMT結合性の特異的なタンパクp60が存在することがわかった。このp60は細胞の不溶性画分に存在し、全長1,287アミノ酸からなるPMTのアミノ酸位840-983の領域と結合することがわかった。p60はPMTの膜受容体か細胞内標的分子のいずれかではないかと考えられる。
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