研究課題/領域番号 |
09770210
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
俣野 哲朗 国立感染症研究所, エイズ研究センター, 主任研究官 (00270653)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 遺伝子治療 / 標的細胞特異的遺伝子導入 / HIV-1 / MLV / エンベロープ / 膜融合 |
研究概要 |
HIV-1感染細胞特異的遺伝子導入のためのレトロウイルスベクター開発を目的として、HIV-1レセプターであるヒトCD4とエコトロピック・フレンドマウス白血病ウイルス(FMLV)エンベロープ(Env)とのキメラ蛋白(CD4-Env)を作成し、このCD4-Envをウイルス表面に有するハイブリッドMLVベクターを産生ずるパッケージ細胞を得た。このハイブリッドMLVベクターは、HIV-Env発現細胞に特異的に結合したが、その細胞への侵入効率は低かった。そこで、レトロウイルスが標的細胞に侵入する際の、Envとレセプターとの相互作用を介する細胞膜融合機構を解析した。この膜融合は、「レセプターとの結合過程」およびそれに引き続く「結合後膜融合過程」の2つのステップに分けられ、Envが細胞表面上のレセプターと結合することにより立体構造変化を生じ結合後膜融合過程が進行すると考えられている。レセプター結合能を有するが結合後膜融合能を欠くFMLVEnvのTM変異体と、FMLVレセプターへの結合能を欠くCD4-Envとの共発現により細胞膜融合が生じたことから、FMLVEnvのレセプターへの結合が、CD4-Envによる結合後膜融合を誘発しうることが示された。さらに、アンホトロピックMLV(AMLV)EnvのAMLVレセブターへの結合も、CD4-Envによる結合後膜融合を誘発しうることが明らかとなった。CD4-Envによる結合後膜融合が、FMLVEnv-レセプター間相互作用だけでなく、別のEnv-レセプター間相互作用によっても誘発されたことにより、標的細胞特異的遺伝子導入のための、新しいリリガンド-レセプタ一間相互作用辷よる結合後膜融合過程誘導の可能性が示唆された。
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