研究課題/領域番号 |
09770261
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
守屋 尚 広島大学, 医学部, 講師 (40243563)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | GBV-C / HGV / 母子感染 / HCV / PCR / 感染経路 |
研究概要 |
GBV-C/HGV母子感染に関して下記に述べる調査を行い、以下の成績を得た。 1. 一般妊婦集団におけるGBV-C/HGV感染率の把握 1990年から1992年の間に松山赤十字病院産科を受診した1766例の妊婦を対象とし、妊婦検診時の保存血清を用いGBV-C/HGV RNAの検出、およびHCV抗体ならびにHCV RNAの検出を行なった。GBV-C/HGV RNAは1766例中11例(0.6%)に、HCV RNAは21例(1.1%)に検出された。このうちの3例はHCVとGBV-C/HGVとの重複感染例であった。 2. GBV-C/HGVの母子感染成立の頻度および母子感染成立の要因に関する検討 HCVとGBV-C/HGVの重複感染妊婦7例およびその児7例を対象として、母子感染成立の有無を調査した。その結果、児7例中4例(57.1%)の生後6カ月目の保存血清中にGBV-C/HGVが検出された。また出産時の母親の血中のウイルス量を知るためにGBV-C/HGV RNA量をPCRによる限界希釈法により測定したところ、107以上の高い値を示した2例ではいずれも児に感染が成立し、10^<5-6>と中等量のウイルス量を示した4例中2例に感染が成立していたが、10^<2-3>とウイルス量が低い値を示した1例では感染が成立していないことが明らかとなった。また、母子に感染しているGBV-C/HGVの塩基配列を相互に比較したところ、両者は完全に一致し、これらの4例の児は母子感染成立例であることが確認された。 以上の調査成績から、わが国の一般妊婦集団の中に低率ながらGBV-C/HGV感染者が存在すること、出産時の母親の血中GBV-C/HGV量が多い場合には母子感染成立の頻度が高いことが明らかとなった。、また、HCVとの重複感染したGBV-C/HGV感染妊婦から出生した児ではHCVの母子感染は1例もみられず、GBV-C/HGVの方が高い頻度で母子感染が成立することも併せて明らかとなった。
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