研究課題/領域番号 |
09770268
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
長濱 直樹 琉球大学, 医学部, 助手 (00274910)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 大動脈陰影幅胸郭比 / ATR / 老化 / 老化度指標 / 胸部X線写真 / 沖縄 / 長寿 |
研究概要 |
申請者は、胸部X線写真の心臓血管陰影を用いた大動脈陰影幅胸郭比(Aortothoracic ratio:ATR)の老化度指標としての有用性を、1987年から1996年までの住民健診で撮影された胸部X線間接写真を用いて検討した。胸部X線写真をコンピュータにスキャンし客観的に測定する方法を試みたが、液晶モニターでは心臓血管陰影画像が不鮮明で測定不可能なため今回も手動計測をした。対象は、65歳以上の903人中、1987年に医学検診(受診者711人、受診率87.2%)と同年住民検診で胸部X線撮影検査も受診した572人の内、実際に測定できた558人をコホートとした。10年後のコホートの転帰は、在宅325人、死亡126人、入院19人、入所49人、転出20人、拒否1人、不在2人、不明16人であった。分析対象者は、死亡、入院、入所、転出、拒否の215人を除く343人とした。1987年と1996年の両方受診し測定できた者は、219人で追跡率は63.8%であった。今回は1987年と1996年の2時点でのATRの変化を性・年齢階級別に分析した。ATRは、男の前期老人で24.4から26.4、後期老人で25.3から25.5とATRが高くなっていた。女も前期老人では27.1から28.3、後期老人で28.6から31.3とATRが高くなっていた。転帰別に初年度のATRの比較すると、男では、在宅で25.1、死亡で27.1、入院で26.1、入所で29.5、転出で25.6であり、女では、在宅で27.3、死亡で28.9、入院で29.6、入所で29.4、転出で27.7となっており、死亡は初年度からATRが高い傾向にあった。以上の事より同じ集団を10年間追跡してもATRは、加齢と共に高くなる事から老化度の指標としての有用性が示唆された。また、在宅者に比べ死亡者の方が初年度のATRが高い事から予後との関連も示唆された。
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