研究課題/領域番号 |
09770286
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | (財)労働科学研究所 |
研究代表者 |
佐々木 司 財団法人労働科学研究所, 研究部, 研究員 (10260134)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 長時間夜勤 / 仮眠 / 二交代制 / 夜勤 / 2交代制 / 3交代制 / 睡眠 / 看護婦 |
研究概要 |
本実験では、夜勤者が夜勤前にとる仮眠(19時-21時=2時間、以下前仮眠)と夜勤中にとる仮眠(2時-4時:2時間、以下中仮眠)を想定して、どちらが長時間夜勤に効果があるかを実験的に検討した。被験者として健康な大学生8名を選定した。被験者は、1条件3日拘束で、前仮眠条件は、時間の経過にしたがって前仮眠-16時間の模擬夜勤-昼間睡眠-夜間睡眠、中仮眠条件では16時間の模擬夜勤(中仮眠を含む)-昼間睡眠-夜間睡眠であった。測定項目は、睡眠時には睡眠ポリグラフィ、直腸温、覚醒時には1時間間隔で眠気を生理的、心理的、行動的側面から測定した。なお模擬夜勤の作業として睡眠時の心拍数が記録されている脳波用紙(60cm/1分)の心拍数をカウントさせ、そのページ数を作業量の指標とした。被験者は両条件をカウンターバランス下で課せられ、模擬夜勤中はコンスタントルーチン法によって、1時間ごとにビスケット1枚、ミネラルウォーター100mmlを摂取した。結果は前仮眠の睡眠効率は92.0%、中仮眠は973%であった。各睡眠変数では、前仮眠の中途覚醒が中仮眠より多く(前者:4.9±7.8分、後者1.6±3.7分)、前仮眠のレム睡眠出現量が中仮眠より少なかった(前者=7.6±7.1分、後者17.3±6.4分)。従って、前仮眠より中仮眠の睡眠バランスがよいことが明らかであった。一方、覚醒時では、前仮眠条件では仮眠後24時までの覚醒度が中仮眠条件より維持される傾向が示されたが、早朝時刻帯は、むしろ中仮眠の覚醒度が高かった。この傾向は、3種の覚醒度指標でも同様にみられた。これらのことから、長時間夜勤時にとる仮眠は、勤務前にとる前仮眠よりも、勤務中にとる中仮眠の方が、疲労が蓄積しているだろう早朝時刻帯で効果があることが明らかになった。
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