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体位による窒息死に関する基礎的研究-逆さ吊りの際の呼吸・循環の経過-

研究課題

研究課題/領域番号 09770296
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 法医学
研究機関日本大学 (1998)
山形大学 (1997)

研究代表者

内ヶ崎 西作  日本大学, 医学部, 助手 (30223548)

研究期間 (年度) 1997 – 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1997年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
キーワード体位関連性窒息 / ウサギ / 法医学 / 異状死体
研究概要

【実験方法】昨年度のウサギを用いた動物実験でサンプリングしておいた脳を含む諸臓器について病理組織標本を作成し、法医病理学的に検討を加えた。更に、「逆さ吊り」という体位が死を引き起こすメカニズムについて、昨年度のデータ・考察と共に総合的に検討した。【結果】諸臓器には特に致死的変化は認められず、また脳に関しても著明な脳浮腫や脳充血などの所見はみられなかった。【考察】昨年度の病態生理学及び肉眼解剖学を主体とした研究によって、「逆さ吊り」の体位は腹腔内臓器が横隔膜を通して胸腔を圧迫し、呼吸運動特に胸郭を広げる吸気運動が阻害されて、次第に呼吸筋が疲労して呼吸が浅くなり、最終的には窒息を起して死をきたすとの考察が得られた。本年度の研究はそこに法医病理学な調査を加えたものであるが、特に致死的な所見、及び、著明な脳浮腫や脳充血などはみられなかった。以上のことから、今回の「逆さ吊り」の実験系により死亡したウサギの死因としては、他の内因的な死因や脳充血などは否定され、やはり窒息であることが解明された。つまり、日本国内をはじめ世界の法医学者の間でもあまり認識されていなかった体位関連性窒息(postural asphyxia)が「逆さ吊り」でも実際に起りうるということがこの研究により証明されたのである。実際の法医実務上で「逆さ吊り」を経験することは希であるが、現に裁判などで問題となっている事例もみられる。この研究は、今後このような事例を経験した場合に有用な資料となるであろう。今後は他の体位と体位関連性窒息、或いは、乳幼児突然死症候群と体位関連性窒息などについての解明が待たれるところである。

報告書

(2件)
  • 1998 実績報告書
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] S Uchigasaki et.al.: "An Experimental Study of Death in a Reverse Suspension (in press)" The American Journal of Forensic Medicine and Pathology. 20(1). (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 鈴木庸夫、 内ヶ崎西作、 高橋弘志: "ある逆さ吊りの死因をめぐって" 法医学の實際と研究. 第40巻. 159-165 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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