研究課題/領域番号 |
09770297
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
法医学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
黒崎 久仁彦 千葉大学, 医学部, 講師 (60240701)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | STR / PCR / ポリアクリルアミドゲル電気泳動 / 塩基組成 / 電気泳動度 / DNA多型 / CYP19 / 突然変異 |
研究概要 |
1) ポリアクリルアミドゲル電気泳動における泳動誤差の出現傾向について検討した。この結果、多型的STRアリルにおいて、プライマーの標識される側を変えることで同一アリルのサイズが1〜3塩基相当の範囲で「ずれ」ることが確認された。また統計学的分析により、この「ずれ」の大きさと[(一本鎖DNAにおけるA+Cの含有率)-(G+Tの含有率)]の絶対値との間に正の相関関係があることが判明した。 2) 複数のSTR座位を選択しSTRのフランキング領域内における変異についての評価を行った。その結果新たに4塩基STRであるCYP19座位においてそのフランキング領域内に3塩基欠失を伴うアリルが存在することを見い出した。この3塩基欠失はSTRのリピート数7回のアリルのみに特異的に認められ、その日本人集団(n=220)における出現頻度は0.248(7回アリル全体の39.6%)であった。また、この欠失が日本人だけではなく白人および黒人種でも普遍的に存在していることを確認した。 3) 自動式シークエンサー(フラグメント解析システム)を用いて、ポリアクリルアミドゲル電気泳動におけるSTRアリルの正確な塩基長測定方法を模索した。A+Cの含有率が25%、40%,60%のアリルを選びこれらを仮のサイズスタンダードに見立て、それぞれ同じA+C含有率ながら塩基配列を異にする一本鎖DNAとの間でサイズ比較を行なったところ、同じA+Cの含有率のものではたとえ中の配列が異なる場合でもゲル内における易動度はほぼ同等であり、その泳動誤差は0.15塩基長(換算)以内であった。一方、A+C含有率が25%のアリルをサイズスタンダードとした場合、含有率が60%の全く同サイズのアリルが約2塩基長(換算)大きく算定される結果となった。これらの結果より、特定のサイズスタンダードからSTRアリルの正確な塩基長を算出する補正式の作成が可能と考えられた。
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