研究課題/領域番号 |
09770305
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
法医学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
木林 和彦 熊本大学, 医学部, 助手 (20244113)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 頭部外傷 / 脳挫傷 / 脈略組織損傷 / 下垂体茎部損傷 / 脳損傷作製装置 / 受傷機転 / 免疫組織化学 / 神経病理 / 脈絡組織損傷 |
研究概要 |
頭部外傷による脳損傷に関する本研究では、法医解剖例と実験動物において、脈絡組織損傷と下垂体茎部損傷の生成機序を解明することを目的としている。 I.法医解剖例: 頭部外傷を有する法医解剖20症例について、約2週間ホルマリン固定した脳の肉眼的検査を行い、側脳室、第III脳室及び第IV脳室の脳室壁-脈絡組織-脈絡叢、視床下部-漏斗-下垂体茎部及び脳下垂体のホルマリン固定・バラフィン切片の組織標本について、ルクソールファーストブルー/ヘマトキシリン・エオジン染色、軸索染色(modified Wielshowsky)、血管染色(azocarmine)を行った。その結果、肉眼的に脈絡叢の出血が認められた症例が2例あり、うち1例は脈絡叢の損傷が脳室内出血の原因となっそいた。現在、組織学的に脈絡叢損傷の有無を検査している。また、視床下部と下垂体頚部の損傷については、抗ニューロフィラメント抗体を用いた免疫組織化学法で神経軸索の損傷を検索している。 II.動物実験: 全身麻酔下のラットの頭蓋骨に歯科用ドリルで直径5mmの骨窓を開け、硬膜上に脳損傷作製装置(Fluid Percussion Device)を装着して脳損傷を作製した。その結果、脳皮質挫傷を形成することは出来たが、脈絡組織損傷と下垂体茎部損傷は形成することが出来なかった。視床下部と下垂体頚部の組織標本について抗ニューロフィラメント抗体を用いた免疫組織化学法で神経軸索の損傷を検索したが、軸索損傷は検出できなかった。現在、脳損傷作製装置による外力の作用部位と方向を検討し、どのような作用方向と強度の外力が脈絡組織損傷と下垂体茎部損傷を形成するかを調べている。法医解剖例の結果と照合して脈絡組織損傷と下垂体茎部損傷の生成機序を解明したい。
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