研究概要 |
【目的】T細胞の活性化に,抗原提示細胞のCD80,CD86及を介したsignalが重要と考えらる.今回,気管支喘息におけるT細胞活性化に対するこれらcostimulatory分子の関与について検討した.【方法】ダニIgE-RASTスコアー3以上を呈するアトピー型喘息患者及び健常者2群のPBMをダニ抗原10μg/mlで刺激しリンパ球のCD28,単球のCD80,CD86の発現を経時的にtwo-color FACSで解析した.又,培養上清中のIL-5をELISA法にて測定した.【結果】健常人,喘息患者ともに,CD3陽性細胞のCD28は,無刺激でも既に強く発現しており,抗原刺激によっても有意な変化が認められなかった.CD14陽性細胞のCD80の発現は,抗原刺激後24時間より増強し,健常人では,以後減弱,喘息患者では,72時間後にピークを示した.CD86の発現は,健常人では,有意な変化が認められず,喘息患者で刺激12時間後より増強し,72時間後にピークを示した.CD80,CD86は,喘息の重症度に依存して増強傾向を示した.IL-5の産生は,抗原刺激後48時間後より喘息患者で有意に認められ,特にCD80の発現と有意な正の相関を示した.【結論】アトピー型喘息では,T cellの活性化にCD80,CD86のcostimulatory signalが関与することが示唆された.
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