研究概要 |
【目的】液性免疫を補助するtype2サイトカインであるirterleukin 4(IL-4)の遺伝子転写制御機構は不明な部分が多い.特に,Ca^<2+>/カルモデュリン依存性プロテインキナーゼII(CaM KII)の転写調節における役割は不明である.本研究では,遺伝子導入とCATアッセイの手法を用い,IL-4プロモーターとCaM KII発現ベクターをJurkat細胞に同時導入し,CaM KIIのIL-4プロモーター活性に対する影響を検討することを目的とした. 【方法】pSVOCATレポーター遺伝子にc-mos遺伝子のupstream配列を挿入し,プラスミドpUNSP_Lを作成した.このNotL認識部位にヒトIL-4プロモーター(-418より+50bp)をクローニングしレポーターコンストラクトIL-4CATを作製した。 IL-4CATをJurkat細胞(CaM KII)遺伝子導入群とベクターのみ導入した群)に遺伝子導入し,24時間後,Ca^<2+>イオノフォアionomycinでさらに16時間刺激後,CAT活性を測定し,CaMKIIのIL-4プロモター活性に対する影響を検討した。 【結果】IL-4プロモーターはionomycinの単独刺激で活性化した.CaMKIIの同時導入によりこの転写活性は40%低下した.また,IL-4プロモーターはCa^<2+>/カルモデュリン依存性プロテインホスファターゼであるcalcineurinの遺伝子導入によっても著しい転写活性上昇を示した.Calcineurinによって誘導されたIL-4の転写活性も同様にCaMKIIlによって約40%抑制された.本研究によりCaMKIIのIL-4プロモーター活性化における抑制作用が明らかとなった.
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