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Tリンパ球ホーミング不全における免疫応答能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09770332
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 内科学一般
研究機関東邦大学

研究代表者

中野 英樹  東邦大学, 医学部, 助手 (30266928)

研究期間 (年度) 1997 – 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワードT細胞 / ホーミング / plt / ケモカイン / SLC / マウス肝炎ウイルス / スーパー抗原 / 脳脊髄膜炎 / 免疫 / ホ-ミング / リンパ節 / パイエル板 / 脾臓 / サイトカイン / 抗体
研究概要

pltマウスはマウス肝炎ウイルスに対する感受性が野生型マウスに比して著明に高く、50%致死量は野生型の約2000pfuに対して、pltでは約5pfuであった。肝臓と脾臓のウイルス量を感染5日後と7日後に測定した結果、pltマウスでは著明に多かった。肝臓を組織学的に観察したところ、感染5日後では炎症像が両者で同程度に観察されたが、7日後では、野生型は治癒されているのに対して、pltマウスでは肝臓全体に炎症像が観察された。血清中の肝炎マーカーGOT・GPT量も同様に、感染5日後では両者で高値を示したが、7日後では野生型は減少したにも拘らず、pltは高値を示した。以上の結果から、pltマウスではウイルスを効果的に排除できないために肝炎が進行し、死に至ると考えられた。リステリアを感染させた場合は、両マウスで明らかな差がなく、pltマウスの感染防御不全はウイルスに対してのみである可能性が示唆された。マウスにマウス乳癌ウイルス(FM株)を投与し、スーパー抗原特異的なT細胞レパートリーの陽性率を経時的に測定した。Vβ8.2陽性T細胞は、野生型・pltマウス共に増加した後、野生型マウスでは4日目をピークに徐々に減少したが、pltマウスでは減少せず、徐々に増加し続けた。
ミエリン塩基性蛋白(MBP)で免疫して脳脊髄膜炎の発症を観察した結果、pltマウスでは発症率が低く、症状も軽減されていた。pltマウスのT細胞は、MBPや同じ蛋白抗原である卵白アルブミンに反応して増殖すると共に、IL-2,IL-4,IFN-γおよびTNF-β等のサイトカインを産生した。特に、脳脊髄膜炎発症に関与しているといわれるIFN-γとTNFの産生量は野生型マウスよりも多かった。以上の結果は、pltマウスではT細胞はMBPを抗原として認識して反応できるにも拘らず、病気の発症は抑制されていることを示しており、反応性T細胞が病巣へ浸潤できないなどの可能性が考えられた。

報告書

(2件)
  • 1998 実績報告書
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (9件)

  • [文献書誌] Nakano H, Mori, Yonekawa, Nariuchi, Matsuzawa, et al.: "A novel mutant gene involved in T-lymphocyte-specific homing into perioheral lymphoid organs on mouse chromosome4" Blood. 91・8. 2886-2895 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] Gunn MD, Kyuwa, Tam, Kakiuchi, Matsuzawa, et al.: "Mice lacking expression of secondary lymphoid organ chemokine have defects in lymphocyte homing and dendritic cell localization" The Journal of Experimental Medicine. 189・3. 451-460 (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] Tanaka Y, Nakano, Ishikawa, Yoshida, Gyotoku, et al.: "Cholera toxin increase intracellular pH in B lymphoma cells and decrase their antigen-presenting ability" Europearn Journal of Immunology. 29(印刷中). (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] Seo A, Ishikawa, Nakano, Nakazaki, Kobayashi, et al.: "Enhancement of B7-1(CD80)expression on B-lymphoma cells by irradiation" Immunology. 96(印刷中). (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 中野 英樹: "T細胞ホーミング不全遺伝子plt" 臨床免疫. 30・11. 1556-1561 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 中野 英樹, M.D.Gunn: "pltマウスとケモカインSLC" Immunology Frontier. 9・1. 47-50 (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 中野 英樹(分担執筆): "Annual Review免疫1999" 株式会社 中外医学社, 329 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] H.Nakano, et al.: "A novel mutant gene involved in T lymphocyte-specific homing into secondary lymphoid organs on mouse chromosome 4." Blood. 91・8(印刷中). (1998)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] H.Nakano, et al.: "Genetic defect in T lymphocyte-specific homing into peripheral lymph nodes." European Journal of Immunology. 27・1. 215-221 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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