研究課題/領域番号 |
09770389
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
加藤 純子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (10266819)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | C型肝炎ウイルス / 肝細胞癌 / 非構造蛋白質 / Cre / lox-P / トランスジュニックマウス / lox-pシステム |
研究概要 |
C型肝炎ウイルス(HCV)の感染による肝炎は、高率に慢性化し、肝硬変を経て、さらに肝細胞癌へと進展する深刻な感染症である。HCVがどのようなプロセスを経て、宿主を癌化へと導くのかは、全く解明されていない。DNA組み換え酵素であるCreにより、遺伝子の発現が開始されるCre/lox-Pスイッチング発現システムを用いて、HCV蛋白質、特に肝細胞癌に関与しているといわれるNS3蛋白質の働きをみるために、HCV遺伝子の非構造蛋白質部分を組みこんだTgマウスを作製し、解析を試みた。 慢性肝炎患者の血清から抽出したHCVを、NS2領域からNS5a領域までをクローニングし、Cre/lox-Pスイッチング発現ユニットに組みこみ、Tgマウスを作成した。トランスジーンの組み込みがあるものは、PCR法により11ライン確認された。サザンプロット解析の詰果により正しい大きさと組換えの3こるトランスジーン金持つTgマウスは、9ラインであった。そのうち5ラインは、RT-PCR法によりmRNAが確認された。さらにノーザンブロット法にて、正しい大きさをもつマウスは、2ライン認められた。mRNAのsequenceをおこない、2ラインとも正しいことが明らかになった。また、蛋白質の産生をみるため、AxCANCreを2回投与後、さらにブースターとしてC14抗原を投与し、経時的に血清中のC14抗体価を測定した。C14抗原投与2週間後にTgマウスは、C14抗体価は2.5以上と陽性を示した。 Cre/lox-P系スイッチング発現システムを用いることにより、強力にHCV蛋白質を発現させることが可能なため、非構造蛋白質領域のTgマウスを作製可能とした。このTgマウスによりHCV蛋白質の直接的細胞障害機序による肝細胞発癌のメカニズムと、CTLを介しておこる炎症と肝細胞の再生の操り返しで、発癌が生じるか否かの検討を今後計画している。
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