研究課題/領域番号 |
09770390
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
西野 隆義 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (20218176)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | nitric oxide(NO) / NO発生剤 / NOS阻害剤 / CDL膵炎 / eNOS / iNOS / 免疫組織化学染色 |
研究概要 |
急性膵炎におけるnitric oxide (NO)の意義を明かにするために、NO基質、NO発生剤およびNOS阻害剤のラットCDL膵炎の発症・進展に及ぼす影響について検討した。 Wistar系雄性ラット(n=120)を用いて、CDLの作成時間を6時間(6h-CDL)、12時間(12h-CDL)と重症度の異なる2種類のCDL膵炎について、1)生食(NS)投与群、2)NO基質;L-Arg投与(ARG)群、3)NO発生剤;SNAP投与詳、4)iNOS阻害剤;Aminoguanidine(AG)投与群、5)cNOS阻害剤;L-NAME(NAME)群の5群に分けた。各薬剤はCDL膵炎作成時より経静脈的に投与した。 血清膵酵素直(血清アミラーゼおよびリパーゼ1直)は、全経過でNAME群が他の4群に比べて有意に高値であった。腹水量は12h-CDLにおいて、NAME群で有意に増加した。組織学的には、6h-CDLにおいて、NS群は浮腫性膵炎の組織像を呈していたが、NAME群では出血性膵炎に進展した。12h-CDLでは、NS群は出而性膵炎に進展したが、NAME群では、出血、腺房細胞壊死は著明に増強しNS群に比べて有意に高度であった。さらにNAME群における微小血管血栓形成が顕著であった。ARG群、SNAP群では、出血および腺房細胞壊死がNS群に比べ軽度になる傾向がみられたが、出血性膵炎への進展を阻止できなかった。AG群では出血、腺房細胞壊死ともにNS群と差がなかった。 ラットCDL膵炎において、cNOS阻害剤の授与により、膵微小循環障害が増強し、膵炎が悪化したと考えられた。従って、cNOS由来のNOは膵炎の進展に対して防御的に作用していると考えられた。
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