研究課題/領域番号 |
09770391
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
春田 郁子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (80221513)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 肝癌 / 腫瘍新生血管 / 浸潤・転移 / 接着分子 |
研究概要 |
我々は、慢性肝疾患の進行に伴い血中の可溶性sVCAM-1と、typc-IV collagenaseであるmatrix metalloproteinase-2(MMP-2)が相関して上昇して来ることを示した。MMP-2の分泌は very late antigen-4(VLA-4)陽性細胞によりup-regulationされているが、慢性肝疾患の進行に伴い肝組織中のVLA-4陽性Kupfferの相対的な割合が上昇していることも確認された。肝繊維化の進行に対してsVCAM-1/VLA-4/MMP-2の相互作用を介した系の存在が示唆される。この点を明らかにする為、本年度は、B6マウスを用いてP.acnes死菌とエンドトキシンを用いた、マクロファージ・Kuprfer細胞がup-regulationされる実験肝炎系を作成した。今後この系でのsVCAM-1/VLA-4/MMP-2の相互作用を解析していく予定である。 一方、肝繊維化の進行に伴って肝細胞癌(HCC)の発癌のリスクが増加してくる。HCCの多段階発癌として、肝類洞の破壊を伴わない高分化型HCCから門脈血流が低下し腫瘍新生動脈により肝瘍が栄弄される中〜低分化型HCCへの変化が考えられている。本年度、肝硬変を母地としたHCC患者切除肝組織を用いて免疫学的検討を行った。この結果、非痛部肝組織ではインテグリンαVβ3陽性血管はほとんど認められないが、典型的な肝細胞癘像を呈する中〜低分化型HCCでは、内皮上にαVβ3陽性腫瘍血管が多数認められた。今回の検討で臨床上血行動態の異なると考えられている品分化型HCCでもすでにαVβ3陽性の腫瘍血管新生が生じていることが確認された。HCCの発癘に際して早期からαVβ3、陽性内皮細胞が関与している可能性がうかがわれる。今後、αVβ3陽性の腫瘍血管の発癌のイニシエーシヨンへの関与等を検討して行く予定である。
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