研究課題/領域番号 |
09770466
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
松永 薫 産業医科大学, 医学部, 助手 (80248567)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 磁気刺激 / 運動誘発電位 / 連合運動 / 鏡像運動 |
研究概要 |
軽度の不全片麻痺を呈した脳梗塞患者では、患側手指を自発的に動かすと健側手指の動きを伴うassociated movementsがみられることがある。このassociated movementsを有する脳梗塞患者8例(56-72歳、平均66歳)において、8字型コイルを用いて限局性に一側運動野を軽頭蓋的に磁気刺激し、両側の短母指外転筋または第一背側骨間筋から運動誘発電位(MEP)を記録した。刺激強度は、刺激と反対側の筋からMEPを誘発するための運動閾値+25%を用い、被験筋を最大随意収縮させた状態でMEPを記録した。全例において、病変側の運動野を磁気刺激した場合、刺激と反対側のみならず同側の筋からもMEPが記録された。この同側性MEPの潜時(平均22.9±3.7msec)は、対側性MEPの潜時(平均21.9±3.2msec)とほぼ同じであり、そのMEPの面積(3.8±2.8mVms)は、対側性MEPの面積(14.1±5.0mVms)の3-22%(平均15±7%)であった。一方、健常側の運動野を磁気刺激しても同側性MEPは誘発されなかった。この同側性MEPは、非交叉性錐体路を介した反応であると推測された。正常人では、手筋から同側性MEPが誘発されることはなく、病変側運動野の抑制機能の異常(健常側からの抑制効果の消失など)が原因で生来存在する非交叉性錐体路の活動が顕性化したためにassociated movementsが生じると考えられた。
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