研究課題/領域番号 |
09770479
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
矢崎 善一 信州大学, 医学部, 助手 (50283263)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 心筋炎 / 接着分子 / ICAM-1 / リンパ球 / ミオシン / 免疫抑制剤 / FTY720 / ラット / 拡張型心筋症 / LFA-1 / SMemb |
研究概要 |
【目的】心筋炎はその病態、治療について未だ不明な点が多い。接着分子は炎症において重要な役割を果たしており、ヒト心筋炎及び心不全患者においてICAM-1の発現が報告されている。ヒト心筋炎モデルの一つである実験的自己免疫性心筋炎(EAM)におけるICAM-1の発現を検討した。また心筋炎おけるリンパ球浸潤の役割を、末梢血中のリンパ球を選択的に減少させる新しい作用機序をもつFTY720の治療効果の観点から検討した。【方法】7週齢ルイスラットにブタ心筋ミオシンによる一回免疫でEAMを作成した。免疫7、14、21、28日、1年後の心筋組織におけるICAM-1の発現を免疫染色で検討した。FTY720(0.33mg/kg)は腹腔内投与とし、連日(day0-28)投与群、免疫前期(day0-10)投与群、免疫後期(day11-20)投与群に分け、28日目(各n=6)に炎症細胞浸潤面積比を生食投与群と比較した。ラット脾細胞培養液にFTY720を添加、ELISA法により上清中のIL-2活性を測定した(n=3)。【結果】ICAM-1は発症前である7日目より発現が認められ、14、21、28日および1年後でも発現が認められた。炎症細胞浸潤面積比は生食群に比して連日投与群、免疫前期投与群で有意に減少していたが(生食;41±3% vs 連日;0.4±0.1%、前期;11±4%,各P<0.01)、免疫後期投与群では有意差は認められなかった。IL-2活性はFTY720では濃度10nMでも抑制されなかった。【総括】ICAM-1はEAM発症に先行して発現し、長期にわたってその発現が持続する。心筋炎の遷延化が拡張型心筋症の一因とされているが、その機序として接着分子の関与が考えられた。EAMはFTY720によりIL-2の制御なしに抑制される。心筋炎発症におけるリンパ球浸潤の重要性とともに臨床的有用性が示唆された。
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