研究概要 |
食生活の欧米化に伴う生活習慣病としての高血圧,糖尿病の増加は大きな社会問題化している.これら疾患患者の治療の成否は臓器障害の予防にかかっているが,この臓器障害に共通する病態が血管再構築である.本研究の目的は,この血管再構築における血管平滑筋細胞由来一酸化炭素の意義を解明することである.一酸化炭素は生体内でHemeを基質としてHeme Oxygenase(HO)により生成される。HOには、誘導型のHO-1構成型のHO-2の2つのアイソフォームが存在する。そこで、本研究では一酸化炭素の意義を解明するための手段としての誘導型HO-1過剰発現マウスの樹立を目指す.昨年度までに作成したテトラサイクリン制御システムを利用したコンストラクトを用いて,HO-1蛋白の発現を確認した。市かしその結果、満足できるほどHO-1蛋白ならびに酵素活性の増加が認められなかった。そこで、新たなコンストラクトの作成に着手した。これは血管平滑筋細胞特異的に発現が期待されるプロモーターであるSM22αを利用し、その下流にHO-1遺伝子をつないだものである。このコンストラクトにより血管特異的に過剰発現が期待される誘導型HO-1過剰発現マウスの樹立を試みている。現在のところ、ホモマウスが誕生し、RTPCRにより血管系にワイルドタイプの数倍の強い発現を確認している。さらに、蛋白レベルの確認をwestern解析とimmunohistochemistryにより、さらに酵素活性を測定中である。
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