研究課題/領域番号 |
09770518
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
松本 朗 久留米大学, 医学部, 助手 (80219485)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | アンジオテンシンII / AT2受容体 / うっ血性心不全 / AT_2受容体 / (^6Phe-amino-)angiotensinII / 腎血流量 |
研究概要 |
1. 目的 平成9年度はAT2受容体刺激を介するアンジオテンシンII(AII)の、心機能および腎機能におよぼす役割を検討するために、イヌにAT2受容体選択的アゴニスト(Phe-amino-)angiotensinIIを投与し、平均動脈圧、心拍数、腎血流量および心拍出量に与える影響を検討した。 その結果、(^6Phe-amino-)angiotensinII 10ng/kg/minの投与により、投与前と比較して平均動脈圧、心拍数および心拍出量は有意に変化しなかったが、腎血流量は有意に増加したことから、AT2受容体刺激を介した腎血管拡張作用の存在が示唆された。今年度はうっ血性心不全において、AT2受容体刺激が心・腎血行動態におよぼす効果を検討した。 2. 方法 (1) 雑種成犬に高頻度右室ぺーシングを約4週間行い、うっ血性心不全の状態に導入した。 (2) 上記の実験犬に対し、(^6Phe-amino-)angiotensinII 10ng/kg/min、カプトプリル0.5mg/kg、ATl受容体拮抗薬(ロサルタン)1mg/kgおよびAT2受容体拮抗薬(CGP1211A)2mg/kgを投与し、平均動脈圧、心拍数、腎血流量および心拍出量に与える影響を観察した。 3. 結果 心不全犬に対する(^6Phe-amino-)angiotensinII 10ng/kg/minの投与は、心拍出量、腎血流量に有意な変化を与えなかった。また、カプトプリル、ロサルタンの投与は一過性の心拍出量、腎血流量の増加をもたらしたが、CGP42112A投与では有意な変化はなかった。 4. 考察 うっ血性心不全において、AT1受容体刺激を阻害する薬物が有意に腎血流量を増加させたのに対し、AT2受容体選択的アゴニストとAT2受容体拮抗薬投与では変化しなかったことより、うっ血性心不全における腎血流量調節に果たすAT2刺激の役割は少ないと考えられた。
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