研究課題/領域番号 |
09770608
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡邊 孝宏 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30280960)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 伝染性軟属腫ウイルス / 抗原蛋白 / 伝染性軟属腫ウイルウス |
研究概要 |
伝染性軟属腫ウイルス(molluscum contagiosum virus,MCV)ゲノムを分離精製し、MCV1型バリアントの全長を含む(両端部を除く)遺伝子ライブラリーを作製した。各遺伝子が挿入された組み換え牛痘ウイルスをHeLa細胞に感染させ、蛋白の発現を試みた。伝染性軟属腫患者の血清を反応させたところ、open reading frame MC08およびMC084Lにコードされている70kDおよび34kDの蛋白がMCVの主要な抗原性蛋白であることが判明した。さらに70kD蛋白と反応するウサギ抗血清が免疫電顕法にてウイルス粒子表面に沈着したことから、この蛋白はMCV粒子表面に存在することが示された。MC133Lの一次構造を検討したところ、大きな疎水性領域が2カ所存在し、N末端側の疎水性領域は膜へのシグナル配列であること、C末端側の疎水性領域は膜貫通部分であることが予想された。そこでMC133Lの膜貫通領域の外側の部分のみを発現させたところ、培養上清に70kD蛋白と同じ抗原性をもった蛋白が検出された。この培養上清をそのままプレートにコートしてELISAを行なったところ、伝染性軟属腫の患者血清の約80%で陽性反応がみられた。健常人では陽性率は20%であった。この検出系はMCV粒子をプレートにコートしてEHSAを行なった場合よりも感度が高く、伝染性軟属腫の疫学調査に有用であると考えられた。
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