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ラット脳虚血モデルを使った血糖状態の脳障害に対する影響:拡散画像による評価

研究課題

研究課題/領域番号 09770688
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 放射線科学
研究機関福井医科大学

研究代表者

前田 正幸  福井医科大学, 医学部, 講師 (70219278)

研究期間 (年度) 1997 – 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
キーワード拡散画像 / reperfusion ischemic model / 血糖値レベル / 核磁気共鳴画像 / 脳虚血 / 血糖
研究概要

脳虚血発症時の血糖状態とその早期での虚血範囲の進展の関係についてrat reperfusion ischemic modelを用いて、拡散画像で明らかにすることを目的とした。Wistar ratの3つのgroupのうち、hyperglycemic groupは30分という非常に早い時期で、拡散画像による虚血巣の検出が可能であった。一方、normoglycemic groupとhypoglycemic groupは虚血巣の検出が30分でも可能であったが、その領域はhyperglycemic groupよりも有意に小さかった。normoglycemic groupとhypoglycemic groupの間でその描出に大きな違いはなかった。拡散強調画像での経時的変化では、各groupともに時間とともにその虚血領域は拡大していった。90分後の虚血領域はhyperglycemic groupでは大脳基底核と白質、皮質を含む広範囲な虚血巣の領域であったが、normoglycemic groupとhypoglycemic groupでは虚血巣は大脳基底核に制限されており、皮質の虚血巣は少なかった。T2強調画像では各groupとも、90分後においてもはっきりした高信号として描出されることはなかった。
拡散画像を使った健側に対する病変部の平均比は90分後で、hyperglycemic groupが0.52±0.09,normoglycemic groupが0.1±0.02,hypoglycemic groupが0.12±0.03であった。hyperglycemic groupとnormo-およびhypoglycemic groupとの間には明らかな有意差を認めたが、normoglycemic groupとhypoglycemic groupとの間には明らかな有意差はなかった。
90分後のMR撮影の後、脳を取り出し、2,3,5-triphenyltetrazolium chloride(TTC)染色にて梗塞領域の体積を測定したところ、hyperglycemic group 125.3±31.2mm^3,normoglycemic group 24.1±8.7mm^3,hypoglycemic group -27.8±11.2mm^3であった。組織での対応でもhyperglycemic groupと他の2つでは明らかに有意差があった。
結論として、虚血時にhyperglycemicである場合には、梗塞領域が広がる可能性を示した。このことは、臨床的に糖尿病患者の血糖controlの重要性、さらにこのような患者で血栓溶解療法を行う際の血糖値のレベルがその予後に影響することを示唆する。

報告書

(2件)
  • 1998 実績報告書
  • 1997 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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